樹脂加工品の寸法精度と公差について

2026.07.24 技術コラム
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樹脂部品の試作や量産をご検討される際、「どの程度の寸法精度が出せるのか」というご質問をいただくことがあります。近年は高性能な加工機や3Dプリンターの普及により、樹脂部品でも高精度な製作が可能になっています。しかし、樹脂は金属とは異なる材料特性を持つため、寸法精度を検討する際には樹脂特有の挙動を理解することが重要です。本記事では、樹脂加工における一般的な寸法精度の目安と、設計時に知っておきたい樹脂材料の特性について解説します。

 


 

1. 樹脂加工ではどの程度の精度が出せるのか

樹脂加工品の寸法精度は、製品形状、サイズ、使用材料、加工方法によって大きく異なります。そのため、
一律に「何mmまで保証できる」とは言えませんが、一般的な目安としては以下のようになります。

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特に切削加工では、高剛性の工作機械と適切な加工条件を用いることで、部分的に±0.01mmレベルの加工も可能です。
ただし、樹脂は金属と比較して熱膨張率が高く、温度や湿度の影響を受けやすいため、極めて厳しい公差を求める場合は、使用環境も考慮した設計が必要になります。

 

2. 進化する3Dプリンターの寸法精度

近年の3Dプリンター技術は大きく進歩しており、従来は試作用途が中心だった造形技術も、現在では機能評価や小ロット生産に活用されるケースが増えています。
特に、

・光造形(SLA)
・DLP
・LCD方式
・粉末焼結(SLS)

などの技術では、メーカー公称値として±0.05mm前後を示す装置も存在します。

しかし実際の寸法精度は、造形サイズ、造形方向、壁厚、材料収縮、後硬化処理などの影響を受けるため、実部品としては±0.1mm程度を想定するケースが一般的です。
また近年は、

・ABSライク
・PPライク
・ゴムライク
・高耐熱樹脂
・ガラス繊維強化材料
・カーボン繊維強化材料

など、実機能評価に適した材料も増えており、試作品の用途は大きく広がっています。

 

 

3. 樹脂材料特有の寸法変化

樹脂は金属と比較して、温度変化、湿度変化、吸水、応力緩和などの影響を受けやすい材料です。
加工直後に測定した寸法と、一定期間保管後の寸法がわずかに変化する場合もあります。

代表的な例として、

・ナイロン(PA)
・POM
・PC
・ABS

などは環境条件によって寸法変化が発生することがあります。
そのため、測定時点の寸法だけでなく、実際の使用環境を考慮した設計が重要となります。

 

4. 高精度加工で注意すべきポイント

樹脂部品で高精度を実現するためには、加工技術だけでなく材料選定も重要です。
例えば、

・PEEK
・POM
・PPS
・MCナイロン

などは比較的寸法安定性に優れています。

一方で、
・ガラス繊維入り材料
・カーボン繊維入り材料

などの強化樹脂は、高い機械特性を持つ反面、加工条件によって反りや変形が発生する場合があります。
また、形状によっては加工時の内部応力が原因となり、加工後に変形が生じるケースもあります。
そのため、高精度部品では材料特性と加工方法を総合的に検討することが重要です。
 

まとめ

樹脂部品は金属と比較すると温度や湿度の影響を受けやすいものの、適切な材料選定と加工条件により、高精度な製作が可能です。特に切削加工では±0.01mmレベルの加工実績もあり、試作から量産まで幅広い用途に対応できます。一方で、必要以上に厳しい公差を設定すると、加工コストや納期に大きく影響する場合があります。そのため、製品の用途や使用環境に応じた適切な精度設定が重要です。
樹脂部品の精度や加工方法についてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。用途や要求精度に応じて、最適な工法や材料をご提案いたします。
 

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